今年亡くなった祖母の好物は干し柿でした。
食べる事が好きな祖母でしたが、
私に一度目の乳がんが見つかった際に
心配で胃が痛くなったそうで、
それをきっかけに病院に行き、そこで胃がんが発覚しました。
当時は、亡くなった母さんが
祖母とももんがにガンを知らせてくれたのかも、
なんて思ったよね。
胃を切除したことでみるみる小さくなっていく祖母。
ひと口食べるのにこんなに時間がかかるなんて・・・と、嘆いていました。
気丈な祖母のつらそうな姿は、見たことがないだけにショックでした。
祖母の豪快な料理も懐かしいです。
作るのもふるまうのも食べるのも好きな祖母は
ずっと調理の仕事をしてきたので
キッチンに立てないことは、さぞかしさみしかっただろうと思います。
その祖母が
「人の家の庭先に吊るされてる干し柿、食べたくなっちゃうくらい好き」
と茶目っ気たっぷりに言っていたので
ここ2年ほど敬老の日には干し柿系のお菓子を贈っていました。
福島出身のため、
伊達の「あんぽ柿」、会津の「身不知(みしらず)柿」
が、柿のイメージなのですが、それはハイクラスな柿。
そのへんに柿の木があり我が家にもあったので
渋柿は祖母が干し柿にして、甘い柿は祖父が木に登って取ってくれました(福島の祖父母)
木に登ってパリパリの硬い桃を食べたり
キイチゴを貪り食べたりしてました
でも、干し柿はちょっと苦手でした。
数少ない苦手な食べ物でもありました。
ご家庭発の、なんだか熟成されちぎったような干し柿がリアルで・・・。
切り干し大根などの干し野菜はいいのですが
我が家の、あんなに雑に干された、色味もなんだかダークな(闇色)
濃縮され、もはや柿なのか疑うくらいの干し柿を間近で見過ぎたせいです。
市販の干し柿
・・・別物だった・・・!!
我が家に干されていたあの粉を吹いた巨大レーズンみたいな塊は一体・・・。
干し柿のあの白い粉末を検索したところ
あれはブドウ糖の結晶なのだそうです。
甘味が贅沢な時代であれば
かなりおいしい、貴重な甘さでしょうね。
しかも、自然由来。
そういえば、母も好きだったような。
吊るされ縮みきった闇色の干し柿を
野獣のように獰猛にちぎり割って食べる姿が記憶にあるような・・・。
小学生くらいの頃、
渋柿に焼酎塗るお手伝いをした記憶が・・・
児童が・・焼酎を・・・
祖父に何を選ぼうかと迷いましたが
「甘いもの好きだよ」、と言っていたので(言ってくれた、のかも)
やはり今年も柿のお菓子を選びました。
去年は福島の柿にしたけれど、今年は祖父の故郷、岐阜の柿のお菓子を。
祖母と一緒に食べて欲しいです。
すぐ会いに行けない距離が、改めてもどかしい敬老の日でした。
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