おやこで話すはじめてのLGBTs 子供と一緒に 【読書感想文】




著者は鶴岡そらやすさん、イラストを一芒さん。

公立小・中学校で教諭とし15年勤務後、自立型学習塾を経営。

現在は自分らしく生きる事ができる社会を子供たちに手渡すため、

講演活動やセミナーなどを行っているそうです。

こちらは児童書

文字も子供向けに大きくわかりやすく、

猫や妖怪のイラストがほっこりかわいいです。

(一芒さんのイラストがあまりにもステキで調べてみると

ダークファンタジーめいたかっこいいイラストの数々に夢中になりました)

  

一人ひとりがちがうこの世界を、
世界に一人しかいない君が、
自分らしさを大切にしながら
生きていくために知っておきたいこと。

引用:おやこで話すはじめてのLGBTs


LGBTを他人事に感じる方も多いと思うのですが

根本はここだと思っています。


これからを生きる子供たちの自由は

大人たちの理解が必要だと思っています。



合間にクイズや迷路、ぬりえ、ビンゴなど

ページ内の猫を探したり、一緒に考えて話し合ったり

子供と一緒に読むことでとても意味のある時間になると思います。

同じものをみて、子供がどう感じるかを聞くことは

深い理解につながると思うのです。

  

どちらかにしなければいけないということじゃなくて
「どちらをえらんでもいい」ということがだいじだと思う。

引用:おやこで話すはじめてのLGBTs


選択の自由があるか、ということ。

男の子だから女の子だから

もうそんな時代ではないのだと、子供を育てていて思います。

子供のほうが柔軟に捉えているように思うのは

学校教育も変化しているからなのだと思います。

自由を許されて、自分を認められると

人や物事に対しても寛容になれるのだと思います。



私の時代の中学校は、肩につく長さの髪は黒か茶のゴムで結ぶ、

前髪が目にかかる場合はピンで留める、

そうしなければ注意され、ジロジロ見られ、コソコソ言われ、

怖い系の上級生の的にされ、脅され、

そんな、どうでもいいような事で全否定される場でした。

小さな町の学校です。

はにわ先生
はにわ先生

のびのびしとらんのぅ。

小さい箱に押し込められとるようじゃ。



ちょっとした事で、そこに暮らす限り噂がつきまとうような

残念な一面がありました(親世代はもっとそうだったのでしょう)


私自身トータルで2年~は不登校だったので

ちょっとしたレッテルを貼られていたのでしょう。

地味なりに自由を愛する私としては、

非常に生きにくい環境だったといえます。



子供たちに「今日学校どうだった?」と聞くと

えええ?と思うような事も多々あるのですが

本人たちは柔軟に解釈していて、感心することがあります。

臨機応変、多種多様、ちゃんと理解して動いているのです。

そんな時代だからこそ、

親子で話をする良いきっかけをもらえました。




本の後半に別冊おとなのための解説書、があります。

作者の鶴岡さんが小学校教員だったころに

クラブ選択で「本当はサッカーをやりたいけど男子しかいないからやめる」といった女子

手芸をやってみたかったけど「女子かよ」と笑われたからやめるといった男子がいたそうです。

未来のなでしこジャパンや、デザイナーになれたかもしれないのに、

というように、

自ら選択肢を狭めてしまう事を残念に思います。



同性のパートナーを認めない国がある事についても語られています。

好きな人と生きることが許されない。

禁固刑、終身刑、死刑・・・。

当たり前って何だろう、と改めて思います。



子供に限らず、「やりたい」と思う事に出会えた時に、

性別の枠にとらわれることなく

わくわくしながら挑戦していける未来。


応援して拍手を贈るひとりでありたいと思うのです。


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