もしひとりだったら

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困った時、人に助けを求められるか、

困っている人を救えるか、というお話です。



先日、仕事帰りにスーパーで買い出しをしている時に

私の先にお会計をしていた70代くらいの女性が

「電話を貸してもらえませんか?自分のが充電なくなってしまって・・・」とレジの方に言うも

「すいません、電話、ここには無くて・・・」


そのまま会話が終わって袋詰めスペースへ行かれました。

ここになくても、事務所とか、売り場にあるんじゃないかなぁ?と思いながらも

私もお会計後、隣のスペースで袋詰めしました。


見れば女性の買い物は大袋2.5個分くらいあり

バッグからスマホを出して、電源の入っていない画面を触っていました。


外は今にも雨が降りそうで、レジも混んできました。

「電話の充電、なくなっちゃいましたか?」と声をかけると

「そうなの、荷物が増えたから、主人に迎えに来てもらおうかと思ったんだけど」

と外を見ていたので、ご主人が駐車場で待っているのかな?と思い

「ご主人さん、外にいますか?」と聞くと、

「家にいるはずなんだけど、連絡できなくて」との事で

「電話番号、覚えているようであれば私の電話使ってくださいー」というと

おうちの電話番号は覚えているとのことで、無事旦那さんが出たようです。


もしこれでご主人さんが家にいなくて携帯番号がわからなければ

家までお送りしようと思いましたが

ご主人に連絡がついて安心したご様子の女性を見て、私もほっとしました。


「なにか・・・あ、こんなものしかないけど、

あなたこれ、持っていって。 ごめんねこんなお礼で。本当にどうもありがとう」

と、買ったばかりの大ボトル爽健美茶を私の買い物袋にぐりぐりねじ込んでくれました。


よく見ると、女性の買い物袋にはお茶ボトルが3本くらい入っていて、

こんな重いものをひとりで運ぼうとしてたのかと思うと。

「お礼なんて、せっかく必要で買ったものなんだから、気にしないでくださいー」と言っても

「いいからもらってちょうだい」と。


結局、「すいません、じゃあいただきますね、お気をつけて」といって帰りました。



そういう私も仕事のパソコンが入ったリュックと手提げ、買い物袋2袋といただいたお茶とで

最近は階段をのぼるのもハードなので

駐車場から娘たちに連絡を入れて、運ぶのを手伝ってもらうことも多く、

(降りるだけだからと絶妙なコーディネイトの娘たちが降りてくるのを眺めるのも楽しみなのですが)

いつも、もしひとりだったら、と思います。


ひとりならこんな量の買い物もしないだろうけど。

ひとりなら二往復するだろうけど。


娘たちがいるときはスーパーでカートを使いますが

ひとりの時は使わないようにしています。

買いすぎてしまうし、重すぎるから、です。


(私の場合、確率は低いけど)乳がん後のリンパ浮腫予防のためでもあります。

よく忘れて、平気で持ち歩いてしまいますが時々思い出します。


生きている以上、時には重い荷物を運ぶ機会もあります。

物だけではないですね。それぞれ、みんな何かを背負っていたりもして。


困った時どうするか、という事。

あのまま電話を借りれずに、ご主人から電話が来てもつながらずにいて

雨の中歩いて帰るとしたら。 ご主人が探しに来てもすれ違いになってしまったら。


もし母が生きていたら、とか、先日亡くなった94歳の祖母の事も考えました。

電源の入っていない黒いスマホの画面を、トントン、とタップする指が切なかった。



私はひとりが好きで、人に頼るのも苦手で、できれば自己完結したいほうです。

できるだけ人に頼らずに生きようとしてきたことは経験を増やしたし

どうにかなることも、どうにかしていくことも学んできました。

不便がいやで誰かにいて欲しいのでもなく、

誰かに何かしてあげられなくなる自分のほうがいやです。



車を運転できるのはいつまでだろう、階段を登れるのはいつまでだろう。

自分の衣食住を自分でこなすことができるのはいつまでだろう。


もしひとりだったら。


ボトルのお茶は重いし、

買い物袋に入った食材達も重い。

生きるために必要なものは重くて。


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