コロナ・ブックス編集部の本で
他にも「日本の色」「日本の音」
「日本の香り」「日本のかたち」があります。
なんてステキな本!
娘たちの絵の具や色鉛筆の補充で色を選ぶたびに、
空や海、花や石、美しい色に心動くたびに、
この世界にある色の種類を思います。
本やネットで目にしても、どう読むのかもわからない、
漢字からイメージしてみても想像がつかない、そんな色がたくさんあります。
パーソナルカラーを意識するようになってから、
以前よりずっと深く、色というものを考えるようになりました。
色の好き嫌い、印象、心理テスト、セラピー効果、
似合う似合わないを抜きに、
なぜ人には好きだと感じる色があるのでしょう。
みぴーが好きな色はオレンジだよ
ねぴーが好きな色は緑だね
小さい頃から視力だけはとても良く、
ずっと2.0で、視力検査の一番下のCまでなんとか見える目でした。
しかし、ここ最近は、
あれ、視力が落ちたかな?と思う事もしばしば。
そこで感じたのは、いつかもっと見えなくなってしまう前に
美しい色を知っていたい、記憶したいという思いでした。
文章もです。
(読書好きな父が、字を見るのが疲れて読めないと言っていて
父の長年の大きな趣味をひとつ失うようで、とても残念です。)
色に関する書籍を眺める中、
とても気になる一冊がこちらでした。
色彩に関する本は他にもたくさんありましたが、
万葉の色、源氏物語の色、
歌舞伎の色、浮世絵の色、日本画の色、やきものの色、
きものの色、化粧の色、と和の文化をベースに
色の由来であったり、江戸時代の呼び名であったり
その色が流行した時代、原料の原産地や抽出方法、
浄瑠璃や歌舞伎での色の意味合いであったりと
情報量が凄まじいのです。
なんとも、雅じゃのう
人によって色の感じ方はそれぞれですが
何か自分を体言するような色であったり(推しカラーという概念だったり)
表現の場で多彩な色を知っている事は(ブログのカラーや創作活動なども)
人生そのものを彩るように思っています。
本を参考に、自分に響いた色や名前を備忘録・・・と
一部書き出しましたが、多すぎますね。でも、一部なのです。
二藍(ふたあい) 青鈍(あおにび) 浅縹(あさはなだ)
香色(こういろ) 灰桜色・桜鼠(はいざくらいろ・さくらねずみ)
舛花色(ますはないろ) 搗色(かちいろ)
高麗納戸(こうらいなんど) 璃寛茶(りかんちゃ)
蘇芳香(すおうこう) 紅掛花色(べにかけはないろ)
千草色(ちぐさいろ) 鶸萌黄(ひわもえぎ)
木賊色(とくさいろ) 紅鳶(べにとび) 銀朱(ぎんしゅ)
白群(びゃくぐん) 白緑(びゃくろく) 裏葉色(うらはいろ)
砥粉色(とのこいろ) 真朱(しんしゅ) 熨斗目色(のしめいろ)
鉄紺色(てっこんいろ) 曙色・東雲色(あけぼのいろ・しののめいろ)
洗朱(あらいしゅ) 鴇浅葱(ときあさぎ) 滅紫(めっし)
紅掛空色(べにがけそらいろ) 御召茶(おめしちゃ)
鳩羽鼠(はとばねずみ) 臙脂色(えんじいろ)
猩々緋(しょうじょうひ) 檳榔樹染(びんろうじゅぞめ)
(多すぎて割愛したのですが
ブルーベースの自分が選びがちな色が多いことも発見でした。
無意識に好きで、選んでいる、感覚的に求めている色ということですね)
余談ですが
小学生の時に読んだ小説で、「鳶色の目」と書かれていて
ずっと、何色なんだろう、と思っていました。
茶色に見えるけど、どう違うのだろうと。
(姉の影響で読んだフォーチュン・クエストのクレイの目の色です)
今なら、検索してすぐ理解できますが
鳶色といっても、紺鳶、黒鳶など、種類があり
色の奥深さをさらに知る事になりました。
(知る事によって当時小説で読んだ人物の目に、より深く鳶色の記憶が宿りました)
クリックひとつで色を操れる時代にありますが
色にも歴史があり、作り出すための原料や工程があり
なんて多彩で美しい世界だろう、と思います。
こうして小学生の頃に不思議に感じていた事が時を超えて
そこから今まで生きてきた間に増えた情報と併せて
またひとつ自分の見識という部品になっていくことが
生きているという事なんだと実感しています。
いつか視力が落ちて見えなくなる日が来ても
頭の中で思い出の色を手繰り寄せて、子供に着せたワンピースの色を思い出したり、
今こうして生きて、集まっていく記憶から引き出した色で
見えなくなっていく世界に塗り絵がしたいと思うのです。
枯れ木を桜色で満開にすることも、新緑にも紅葉にも、雪を添える事もできるし
ここに記した美しい色の着物を纏う事だってできます。
我ながら良い考えだと思ってます。
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