著者は上田惣子さん。
私自身まったく自営業ではないのですが
イラストのかわいさと、
「くすっ」とどころか「うはー」と笑ってしまう表現が愉快で
最初の1ページ目から早速、おばあちゃんになった上田さんが
頭上で鳥にフンされてるところから始まります。
(この本が出版された2017年の時点で)
イラストレーター歴25年のベテランながら
ある日書店に行ったときに、
ご自身の携わった作品がない事に気付きます。
胸がつまったもう私いらない人なんだ どこにも使ってもらえないんだ
〆切り守っても徹夜しても いっぱいいっぱい描いても 全部ムダだったんだなぁ
お金がないのもつらいけど 必要とされなくなったのはもっとつらいこのときやっと 自分の「いま」を自覚することができたのです
引用:マンガ自営業後の老後
投資信託や貯蓄型生命保険、
老後資金を増やすための確定拠出年金、小規模企業共済など
私自身、あまりに無知で衝撃でした。
社会の事、ちゃんと知らずにここまで来ちゃった感。
・・・・うふふ・・・うふふふ・・・
現実という名の暗雲がたちこめ、
ページをめくる指が硬質化し、
体が勝手に冷蔵庫に何か取りに行こうとする現実逃避に駆られましたが
マンガが面白いのと、作者の上田さんのゆるさと
ずぼらアピールしてくれているおかげで「ひとりじゃない」安心感が。
老後を想像して
カラスに話しかけて近所の人に目撃される想像とか
犬がおしっこした鉢のプチトマトを食べてる想像とか
何かとおもしろくて笑いながら読めるのです。
ももんがも同じことしそう・・・
公園の砂場に魔法陣描きそう・・・
お金のことをちゃんと考えることが未来の自分を助ける、と
既に実践して備えが万全の方からアドバイスされて
様々な例を元にご自身の生涯収支を計算していきます。
保険を見直したり、未加入だった年金に加入したり、
家を買うために必要な知識を得たり
ありとあらゆる見直しを試みて、どんどん整っていきます。
(短く書かれていましたが、上田さんも乳がん経験者だそうで
そこも乳がんの後どう働いていくかのひとつの種類を見れた気がします)
時に自虐的にマンガで楽しく解説してくれているので
どういう流れでどこへいって手続きするのかもわからない者としては
人に聞きにくいお金の話なだけに心強い情報です。
自営業の老後の働き方についても公認会計士さんいわく
マネープレッシャー
(いつもお金の不安を抱え、汲々としている暮らしのこと)と無縁でいられるように
自分の価値を高め、専門性を磨き、発注者の目にとまるようにする。
将来の憂いをなくすには一段上の事をしてスキルアップに努める。
体は老いても人生は終わりではない
大切なのは「いま何ができるか」
自営業じゃなくても、リアルなお話です。
私のようななんとなくどうにか生きてきたタイプは
資格や学歴もなく、やらせてもらえる仕事も多くはないのです。
そして歳をとれば益々その枠は狭まっていきます。
こういうのって、自分が一番わかっているだけにつらすぎる現実です。
作品中、たびたび「早く死のう」と絶望し
老後の不安で夜中に起きてしまったり
不安のせいで友人と会っても自分の事ばかり話してしまうとか
私の事かと思いました(笑)
運や縁もあると思いますし、
世のため人のため、努力してきた人は人の目にとまりお声がかかり、
必ず報われる日がくると信じてますが
それも努力してこそ、自分を磨いて謙虚でいてこそ。
こういったジャンルの本は石化してしまうため見ませんでしたが
読むことで良いきっかけをもらいましたし、
ひとり親になってもうすぐ4年、
自分の老後と、子供たちの進学や夢を応援する資金のためにも
働き方、生き方、在り方、そろそろ整理整頓しようと思うのでした。
人から言われると地底に落ちたような気持ちになるが
文字で知ると、気付きがちょっぴりソフトじゃのう
石化するのはまだ早いのじゃ
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